
日活経営陣は、今期経常利益4億の赤字の責任を従業員に押し付けるべく、希望退職提案を強行しています。
日活労組は、経営責任の明示と事業再建策の具体的説明がない、短絡的な希望退職提案に反対します。
前期決算(2002年2月)で税引前利益が赤字になり、次の期も見通しが厳しくなり、2002年8月1日、会社は野村総研をコンサルタントとして参加させた構造改革プロジェクトを発足させました。11月末に答申が完成し、12月から現場と検討して修正を加えつつ実行に移し、2003年3月から新体制にする、という計画でした。
2003年1月15日、会社は組合に対して希望退職の提案を突如行いました。構造改革に全く書かれていない人員削減案に対して不信と怒りが広まりました。1月16日に、3月から始まる新体制の機構と、新組織の部長・課長人事の発表が行われました。会社は今期経常利益4億の赤字の責任については言及せず、管理職だけ部署を決定し、一般従業員は宙吊りにしたまま希望退職を募るという卑劣な手段をとったのです。
2003年1月27日、2月4日に会社と組合は団交を行いましたが、経営責任の認識に大きな隔たりがありました。そして、2月5日に会社は組合と協議中にも関わらず、特別損失を今期に計上したい
という一点張りで、希望退職提案の強行を宣言したのです。希望退職説明会には、再就職支援会社の大手で、裏でリストラの手引きを会社に行うことで悪名高い日本ドレーク・ビーム・モリン株式会社を呼び、従業員の反感を買っていました。また、説明会において、従業員がその場で会社に対して質問しても別の場で答えます
と完全に拒絶しました。
会社は個人面談を全員に行うことを宣言し、キャリアシートの記入(退職しますか?
という質問付き)を行わせて、所属部署の部長に行わせるという退職強要まがいのことを実行しようとしました。個人面談は受けなくてもよい
という建前に反し、しつこく個人面談を受けさせようとする事例が相継ぎました。これに対して組合は強硬に反対し、個人面談の有無は部長が確認するのではなく、面談希望者から連絡を入れる形に会社を譲歩させました。
今後問題になるのは、不当配転を匂わせた退職強要と、無責任経営の助長にあります。不当配転に関しては、撮影所現場スタッフ配置転換問題のページでも述べているとおり、撮影所の現場スタッフを中心に行われる可能性が高く、組合としては断固阻止していかなければなりません。
さらに、希望退職募集という危機的状況にありながら、自らの経営責任をとろうとしない役員の問題は根深いです。役員報酬の減額は 20 パーセントから 10 パーセントにとどまり、辞任する役員は皆無です。また、来期の経営方針も全く矛盾だらけです。一方で希望退職による人件費削減を謳いながら、一方では新入社員 6 人を採用したり、危機的状況にありながら巨額の投資とリスクを必要とする新映像都市構想を進めようとしています。自社スタッフによる映画製作を掲げながら、現場スタッフの配置転換を目論んでいます。
日活労組はこうした無責任な経営を監視し、質していく必要性に迫られているのです。
3月10日に希望退職募集が締め切られ、計23人が希望退職に応じました。組合員に関しては退職強要に類することは防げましたが、一部の募集者に対して取締役が説得工作をおこなうなど、制度の不公平さを露にした事例がありました。 また、会社が不当配転を行おうとした事例も数多くあり、従業員の人権をなんとも思わない会社の姿勢が改めて明確になりました。