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2003労組発文第2号
2003年2月3日

日活株式会社
代表取締役社長 中村 雅哉殿

映画演劇労働組合総連合日活労働組合
中央執行委員長 海老原 卓生

希望退職提案撤回の要求書

 映演総連日活労働組合は、この度提案を受けました希望退職提案について以下の通り反対します。

 希望退職募集は会社が雇用責任を放棄する行為であり、従業員にさまざまな不安と無気力をもたらします。従業員は「自分はこの会社にとって必要ないということなのか」「この会社はもう先がないのか」と考えます。当然労働の効率も落ち、会社全体に及ぼす悪影響は計り知れません。希望退職は採用人数調整などの雇用調整ほかあらゆる手段をつくした上で、最後の手段として取られるべき最悪の選択肢のはずです。

 わたしたち組合は「本当に希望退職募集をせざるを得ない状況なのか?」と疑問を持っています。この会社を救うためにできることは他にあると考えます。「構造改革によって診断は下された」と社長は言及しましたが、なぜ診断時点では言及のなかった希望退職がたった1ヶ月足らずで浮上してきたのでしょうか? 短絡的な人件費削減ではなく、他に検討すべきことがあったはずです。

 この会社を救う手段は、まず業績不振の原因を探ることです。ここ数年の業績不振はどこに原因があるのでしょうか。「映画事業と撮影所事業の不振のせいだ」、と取締役の方々は言います。ではなぜ映画事業と撮影所が不振なのか? それは、映画製作において観客を無視し、一部の持ち込み企画を無批判かつ性急に進めたからです。そして収益の見込めない映画が次々と製作され、公開ラインナップを大混乱に陥れて赤字を増大させたことと、撮影所においては撮影所売却により販管費が上がって収益構造を圧迫したことと、外部持ち込み企画で撮影所を利用しないことが挙げられます。

 そういった原因を分析せず、役員が責任を回避したまま前進しても、また同じ過ちを繰り返すだけです。さらに役員だけでなく、会社の命運を賭けた重要なプロジェクトである構造改革プロジェクトを、リーダーに任命されながら途中放棄した滝口映像統括室長の無責任さも放置しておくわけにはいきません。

 よって組合は以下のことを要求します。

 また、会社は横浜移転を同時に検討していますが、一方で希望退職による人件費削減を打ち出し、一方で多額な費用を必要とするプロジェクトが進行しているのは矛盾していると指摘せざるを得ません。組合は依然として事業計画の見えない新映像都市構想に反対します。さらに、会社が新しい撮影所を検討している段階で撮影・照明の現場スタッフを配置換えさせて事実上の指名解雇を断行しようとしていることは、日本一優秀なスタッフ2001年3月従業員集会における中村社長の発言)を新しい撮影所構想から排除する無謀な行為です。会社は再三再四「新しい撮影所に現場スタッフを連れていく」と発言していたのに、ここに来て突然現場スタッフを切り捨てて新しい撮影所を単なる「貸しスタジオ」におとしめるのはあまりにも急激な方向転換であります。その姿勢は映画は文化であり、日活はその文化の担い手であると謳っている会社のすることではなく、「文化の破壊者」であると言わざるを得ません。

 よって、組合は以下のことをさらに要求します。

 会社は「株主のため」と声を大にしますが、会社は株主・経営者のものであるとともに、そこで働く従業員のものであることを切望します。そして従業員の人権を守ることを切に願います。

 組合は、会社がこれらの言葉を真摯に受け止め、十分検討して回答するよう求めます。

以上