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2002労組発文第2号
2002年2月5日

日活株式会社
代表取締役社長 中村 雅哉殿

映画演劇労働組合総連合日活労働組合
中央執行委員長 海老原 卓生

新映像都市構想に関する要求書

 映演総連日活労働組合は、新映像都市構想に関し会社と交渉を重ね、組合内でも集会等で討議を重ねて来ました。しかし、現状では以下の通りの問題がある事を確認しました。

撮影所
  • 現在、最大の課題の一つである撮影所事業の展開案が見受けられない。新たな箱を作ることより、そこで何をするかが重要である。
  • 「横浜みなとみらい」はアミューズメント施設としては最適であるかもしれないが、組合の主張する現調布撮影所が有する「立地の利便性」に対する総括がなされていない。映画のスタッフ・俳優にとって現調布撮影所より、都心からの距離が長くなるのは明白なことであり、それだけのデメリットを抱えることとなる。また、調布は現像所・装飾・特機等の映像関連の会社が揃っており、現行の「映画製作都市」と言え、日活単体の横浜移転は業務上支障が出かねない。
  • 会社は撮影所の職種・人材はこのままの形で移転すると約したが、現状の組織改革・中期事業計画からは、体制のスリム化・人員削減が窺える。これは単なる「スタジオの箱貸し」、人(現場スタッフ)のいない撮影所への変更であり、撮影所労働者を切り捨てようとするものである。これは会社の掲げる『映画文化の推進』とは反するものである。
本社
  • 東京が情報発信基地である構図は当面大きな変化を見せる事はなく、そこを敢えて離れることはメディアとして大きくマイナスに作用しかねない危険がある。現に、映画に関しても、邦画・洋画メジャーは言うに及ばず、独立系も山手線内外に事務所を構えているのが実状であり、東京が「映画村」である。
  • 同様に本郷本社にある営業部門の数多くの得意先は都内(山手線内)にあり、商談のための時間的なロスが出る。それに伴い、現状より残業時間が増加するのは必至である。
  • 得意先の都合により、一日に何度も商談で外出する業務は、業務自体が成り立たなくなる。
労働条件
  • 通勤時間が1時間単位で延びるばかりか、家族・子供を持つ者は生活自体に支障をきたす恐れがある。これに対しても明確な回答がない。

 現在私たちの働く日活は、映画会社として再建中であり、映画をソフト・ビジネスとして成立させるのが先決です。その目標に向かい全社的に取り組むことが重要であることは、労使ともに認める処です。そして第一の課題は、そのソフトを如何により多くの人に見てもらうかであり、その障害となることを極力避け、地固めをしなければならない段階にあると考えます。このような時期に何故、企業存続を賭けたプロジェクトを行わなければならないのか、理解し難い問題です。また、(株)マルとの将来に亘る契約が不明瞭です。新映像都市構想の策定にあたっては、先ず映画業界の現状と、その中の日活の位置を認識することが重要です。

 映画製作には多くの人材が携わり、それは日活一社で賄うことができないものです。横浜移転は、日活が「日本映画界の孤児」に成りかねない状況を孕んでいます。

 以上の理由から、私たち日活労働組合は本社及び撮影所の横浜への移転に反対します。且つ調布撮影所のリニューアル案を検討することを要求します。

 会社は本要求を真摯に受け止め、当計画を再考し、組合と協議を継続することを要求します。